03
「部活始めるよぉー!」
「「「きゃー及川さーーーん!」」
はい、毎日恒例の及川さんかっこいいコール。
もうなんか慣れました。嫉妬?何それおいしいの?
「今日はまた一段と人多いね」
『そりゃ新入生も入ってきますから...』
「あー...またファンクラブに新規会員が増えるのね」
美緒と二人で準備していると、きゃーって黄色い声が
なんだか悲鳴っぽく変わった。
何だろうと視線を準備していたところから室内の中央に向ければ
徹がこっちに近づいてきた。
「沙那ちゃーん!」
『...何?.....分かったから早くアップしろこのクズ川!!』
「きゃー照れないでー!」
なんだアイツは!
耳元で"今日一緒に帰ろうね"って呟いたと思ったら"好きだよ"なんて。
「こういうことするから大変なのに」
『もうやだ...あいつシメる....』
「一に任せなよw」
『そうだね...一ちゃん』
「あ?」
ちょうど体育館を走ってた一ちゃんがこっちへ来たので
『今日は一段と及川をいじめてください』
「おお、任せとけ!」
とだけお願いしてみた。
アホ及川徹め。痛い目にあってください。
あ、今日一緒に帰ってあげてもいいよ。って伝えるの忘れてた。
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