アイス | ナノ
04


仕返ししようって言われた翌日、あたしはなんだか気分が少しだけ乗らなかった。

「おはよう、美緒」
『はよ、沙那...えーっとその大量に持ってる手紙は...?』
「男子の先輩、同級生、女子の先輩、同級生からのラブレター?」
『あ...やっぱり沙那にも来るんだ....』
「やっぱりというと...美緒にも来たの?」
『うん、徹の取り巻きさんから』
「だよねー...マネしてるだけでこんなに言われるんだ」
『いや、沙那の場合は多分くっついてるからだと思う...』
「女怖いわー。及川だって一般人だよ?恋くらいさせてやれよー」
『だよねー』

彼女はこの後、この手紙の出し主に後で返事を書く!って意気込んで
教室に行ってしまった。

3学期になってあたしにはいじめはほぼ無くなったけど
代わりに沙那にいくようになってしまった。本当申し訳ない。

教室に入ると、水田くんと目があった。
めっちゃ人の良さそうな笑顔を向けてくる。

昔のあたしだったらトキめいたけど、今は違う。
彼の本性を知っているから惹かれるより引く。

「美緒」
『はー....い?ままま松川!?』
「おう?」
『な、名前!』
「え?だって付き合ってるんじゃん俺たち」
『なっ!』

なんなのだこいつは!突然すぎではないか!←

「ほら見て、水田の顔」
『へ?』

耳打ちされてチラって見ると、彼の顔はなんだか機嫌が悪そうな顔。

「あと少しで本格的に仕返しできそう」
『....あんた性格悪』
「お互い様」

ちょっとだけ笑ったこいつの顔にドキドキしたなんて誰にも言えない。



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