アイス | ナノ
01


小学校の頃から一緒の近所に住む、徹と一とは中学も同じになって
彼らは男子バレー部に入部し、毎日練習に励んでいた。
あたしは一人じゃ帰ると危ないよ!ってクソ及川のせいで毎日遅くまで待っていた。

そんなある日の帰り道にクソ及川が
しつこく今週の予定を聞いてきた。

暇だよ、って返したら

「美緒ちゃん男バレのマネ手伝ってくれないー?」

とかふざけたこと言い出した。めんどくさいのは嫌いなんですけど。
ゲームしたいんですけど。今攻略中の彼がもうすぐ落ちるんですけど。

『は、なんであたしが』
「沙那ちゃんだけじゃきついんだって!」

沙那ちゃんはこいつの彼女。あたしも知ってるし仲良し。

『一の彼女連れてけばいいじゃん』
「アイツはアイツで用事あんだとよ」
『....はぁ』
「おーねーがーい!」

本当しつこい。でもこれで断ったら休日の朝から
あたしの部屋に侵入してきて布団はがれそうでやだ。

『.....一日だけ』
「本当!?ありがとう美緒ちゃん!好き!」
『あんたはすぐそうやって女子に好きとかいうから沙那がキレるんでしょ』
「学習しねぇよな」
『だよね、このクズ。クズ川』
「悪口を略さないで!!!」

この後、あたしは見事バレーにどっぷりはまってしまうことになったのだ。



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