それから黒尾さんとは連絡がぱったり途絶えてしまった。

「あの後どうだったの〜?」
『あのあと?』
「黒尾さん!来てたじゃん!」
『あぁ...』

数日後、桜ちゃんと過ごしている時に聞かれた。

『普通に遊んできたよ?』
「....ありえない」
『え?』
「大海、遠慮しないでいいから」
『え?桜ちゃんどうしたの?』
「本当のこと言っていいんだよ?」

なんだか桜ちゃんの目が真剣で、逸らせなかった。

『最近、黒尾さんからね、連絡無くてね』
「うん」
『わかんないけど、さみしいなって思って』
「うん」
『でも、お兄ちゃんのライバルの人だし』
『それにただ忙しいかもしれないし』
『我慢しなきゃって思ってたけど』


『やっぱりまた連絡したいって思って』

どうしたんだろう、なんか涙が出てきた。
ちょっと連絡無いだけで、あのときのさみしそうな顔を思い出したら
胸が苦しくなって、熱くなって....

「ねぇ大海」
『ん?』
「それは、好き、ってことでいいと思うよ」
『で、でも』
「好きなのにどうして諦めないといけないの?」
『お兄ちゃん...』
「お兄ちゃんなんて関係ないよ」
『でも』
「でも、でも、うるさい!好きなら好き!これでよし!」
『桜ちゃん..』
「ほら携帯!」
『え?』
「電話!しなさい」
『いやいやいや』
「だって、好きって言われたんでしょ?」
『あれは私の聞き間違えで...って勝手にいじらないでよ!』

桜ちゃんは私の手から携帯を奪うと、なんか勝手にいじりだした。

「はい」
『え?』
「とりあえず、電話してみなよ」

----画面には見慣れた文字が書いてあった。

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