黒尾さんを見送った後、お兄ちゃんに電話をして迎えに来てもらった。 「お前も一応女子なんだから、早く帰れよ」 『ごめんなさい...』 「大海」 『おう?』 「なんかあったろ」 『...ないです』 「分かりやすいぞ?」 どうしてでしょう。お兄ちゃんにはお見通し。 昔から落ち込んだりしてると気づいてくれたお兄ちゃん。 『今日ね』 「あぁ」 『音駒の黒尾さんに会ったの』 「へぇ....ってはぁ!?」 『私もびっくりしたんだから!』 「お、おお」 『前から連絡しててね』 「知らなかったんですけど」 『今言いました』 「あ、そう。続けて?」 『....とりあえずすごい人だなって思ったの』 「それだけ?」 『ん』 「...話したくなったら聞いてやるから」 『ありがとう』 お兄ちゃんごめんね、ありがとう。 あの時、電車が来たからうまく聞き取れなかったんだけど 彼の口は確かに動いていたのです。 ---『好き』って聞こえた気がしたの。 ((私はどうすればいいのでしょうか)) back to top |