ずっとずっと小さい頃から一緒で、何かあったらすぐに頼っていた。
彼は嫌そうな顔をしてるけど、手伝ってくれてそんなとこが前から好きでした。

『風邪?』
「そうなんだよー!でもお前は来るなって言われた...」

朝、いつものように幼馴染...一の家に行くと
もう一人の幼馴染、及川徹が立っていた。

どうやら、一は風邪のようだ。
徹と一はバレー部で明日練習試合を控えているらしい。

『風邪が移らないように配慮してくれてるんでしょ』
「でも〜」
『あーうざい。先行くよ』
「待って名前ちゃーん!」

デカい図体して女々しい徹をほったらかしにして登校した。




放課後、気になったので一の家を訪ねるとおばさんが出てきた。

「ちょうどよかった」
『え?』
「一の看病少しだけ任せていい?」
『私でよければ!』

久しぶりに家に入ったな、なんて思いながら私は一の部屋を目指す。

『はーじーめくん』
「...は?」
『元気?』
「まぁ」

部屋に入れば、彼は布団の上でぼーっとしていた。

『看病に来たぞー!』
「あーどうも」
『いえいえ。熱は?』
「ない」
『....嘘つき』
「嘘じゃねぇって」

勝手におでこを触らせてもらうと、意外と熱くてびっくりした。

『これ食べて、薬飲んで、寝て』
「無理」
『いや、無理』
「やだ」
『及川か』
「うわ、もっと嫌だ」
『じゃあ食べて?』
「ちっ...」
『盛大な舌打ちだことー』


久しぶり、本当に久しぶりな気がする。
最近は一とこうやってバカなことしてなくて、ずっとすれ違っていたような気がする。

彼はしぶしぶお粥を食べて、薬を飲むとすぐ寝てしまった。

『....一のバカ』

バカはどっちだろう、きっと私のほうかもしれない。

囁くように呟いて私は、まだ熱で顔の赤い君にキスをした。



‐‐‐‐‐好きだ、ばか


((あぁ、どうか君が起きてませんように))























「....俺だって好きだっつーの」

彼の呟きは逃げ出した私には聞こえない。


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