おやすみ、明日

夜中、まぶしい光と大きな音と雨の音で目が覚めた。
あぁ雷だ。って思ったときはまた光って大きな音。

うん、怖い。
布団を頭まで被ろうかなってもそもそ動いてたら

「百合香?」

って声がした。

『ごめん...起こしちゃった?』
「大丈夫だけど...」
『明日もあるから早く寝よ...きゃ!』

うわ、今のすげぇでかかったな...って百合香?
って洋一くんが言ってるけど、そんなの聞いてる余裕なんてありません。

「ヒャハハ、お前雷怖かったなそーいや」

笑わないでよ、って言おうとしてまた光る。

『う、うるさいいい』
「怖がりー」
『こ、怖いんだもん仕方ないじゃん』

一緒のベッドで寝てるから嫌っていうほど距離は近い。

「ほらよ」
『へ?』
「優しい旦那様が抱きしめてやるよー」
『なんでそんな上からなの』
「とか言いながら来てるじゃんお前」
『仕方ないから抱き着いてあげる』
「素直じゃねーな」
『あなたこそ』

腕を広げていた洋一くんに抱き着く。あ、あったかいな...

「大丈夫だいじょーぶ」
『なんか慣れてるね』
「あー沢村とかにもよく言ってたかんな」

む、なんか今少しだけ嫉妬したかも。
でも栄純くんならいいや。

「百合香」
『んー?』
「おやすみ」
『うん、おやすみ』

頭をポンポンってされながらあたしは目を閉じた。
明日はきっと虹が見れるんだろうな、なんて子供っぽいことを思いながら。

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テーマ「人外ファンタジー」
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