少しの間のラブタイム

「疲れたー」
『お疲れ様』

夜ごはんも食べて、お風呂も入って後は寝るだけ。
でもまだ時間は10時。

「ねぇ百合香ちゃん」
『何?』
「抱きしめていい?」
『拒否権ないしいいよ』
「さすが」

だめって言っても抱き着いてくるくせに。
てかいつもはいきなり抱き着いてくるのに今日は珍しいな

『ねぇ御幸くん』
「お前も御幸だろw」
『あ、そうでした。じゃあ一也くん』
「んー?」
『なんかあった?』
「別にー?」
『ウソ、なんかあったでしょ』
「...やっぱりばれちゃった?」
『わかりやすい』
「百合香ちゃん鋭いなー」

御幸く...一也くんの声が少しだけ小さくなって
抱きしめる力が強くなった。

「なんかさみしくなっただけ」
『ふーん』
「何だろうな」
『さぁね、でもね一也くん』
「ん?」
『あたしはずっとここにいるし、君はあたしをこうやって抱きしめてくれるでしょ?』
「うん」
『だから大丈夫、ね?』

何を話せばいいかわからないけど
少しでも彼の不安がなくなればいいな。

「ねぇ百合香」
『はーい?...ん?!』
「襲ってもい...痛い痛い!」
『変態』

前言撤回。こいつは不安とかそういうものを覚えてほしい。

「ひどい、子供ほしいだけなのに」
『今はいらない』
「え?俺と二人きりがいいのー?」
『...てかもういるし』
「...は!?」
『お腹の子のためにもさっさと寝ようかなー』
「え、ちょ、ちょ!」
『なぁに?一也パパ?』
「はぁ!?」

ウソですけどね、お腹にはまだ赤ちゃんはいないけど
いつか、いつかできればいいな。
その時は笑顔で会いたいな。

寝るまでのちょっとしたラブタイム。
今日も平和に過ぎていきますように。

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