おかえりなさい、それとも?
夕食を鼻歌を歌いながら作る。
今日はなかなか帰ってこれなかった彼が帰ってくる日。
ちょっと頑張ってかに玉作っちゃう。
『ふんふーんふんh「ピンポーン」』
誰だ今すっごくいいところなんだぞ。
今からサビで盛り上がるのにこんにゃろ。
暁くんだったら許すけどそれ以外は...
そう思いインターホンの画面を見ると宅配のお兄さん。
『今行きます』
「降谷百合香様にお届きものです」
『あ、はい』
どうしよう今一瞬、降谷百合香でにやってしそうになった。
危ない危ない。
どうやら実家のお母さんから。
後から開けよう。
宅配のお兄さんが帰ってさっきの続きから鼻歌歌わないと...
『ふんふー「ピンポーン」今度は何よ!』
勢いよくドアを開ければ、懐かしい香り。
数秒考えて、あぁこれは暁くんか、抱き着いてきたんだなって思いついた。
「ただいま...」
『お...おかえり』
「疲れた...」
『お疲れ様、ごはんにする?お風呂にする?それとも?』
「ごはん」
『ですよねー。今日はかに玉だよ』
「本当...?」
『うん』
あ、すごく嬉しそう。
高校の頃はあんまり彼の表情だけではなかなかわからなかったけど
今は顔見ただけで考えてることがわかる。
あれ、あたし成長したな。
「早く食べよう」
『う、うん...ってわぁ!』
いきなりお姫様だっこは反則だよ暁くん。
あ、聞いてない。でもいいや。
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