婚約は突然に

夢、夢、夢。
何度でもいいます。もう一度言わせていただきます。

『これは夢!』
「だから夢じゃねーって!」
『だ、だって倉持でしょ?』
「俺だってちゃんと言うっつーの!」
『あ、あたしこれから倉持でいいの?』
「だーから!何度言えばわかるんだよお前は!」

ありえない、女の子、しかも彼女にまで
普通に蹴り入れてくる野郎だよ?

そんな、そんな倉持があたしと結婚?え?

「いいか、百合香。お前は明日から倉持百合香だかんな!」
『...お、おう』
「御幸とかに何言われてもぜってぇ倉持って名乗れよ!」
『大丈夫!』

誰が好き好んで御幸とくっつくかっつーの。

『くらm...洋一』
「あ?..っはぁ!?」
『よろしくね、これから』
「お、おうよ」

大好きだよ、って囁いてみれば
愛してるって抱きしめられた。

友達以上恋人未満みたいな関係だったあたしと倉持君は
明日からは夫婦。

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