部屋にいたのは御幸くん本人で、どうやら早く帰って来れたらしい。
『そんなの聞いてない!』
って彼の腕の中で怒れば
「え、俺ちゃんとメールした」と返ってきた。
まさか、と思いメールボックスを開けば昨日寝落ちして見れなかったメールの一番下に
”明日の朝一で帰ってきます”とご丁寧に語尾にハートまでつけて書いてあった。
『気づかなかった...』
「だって寝る時間帯でしょ?名無しちゃん」
『それ分かってて...』
「ごめりんこ♪」
『さすが友達少ないだけあるわ』
「ひどい」
ひどいのはどっちだ。
サプライズにしたいならメールしなければいいのに、私が寝る時間に合わせてメールして寝落ちさせるなんて。
「ねぇ、それより奥さん」
『まだ奥さんになってません』
「じゃあ未来の奥さん」
『何でしょう』
「おかえりのチューしてほしいな」
『ただいまのチューしてくれるなら』
「ただいま」
『おかえりなさい』
とりあえず約束してたので、おかえりなさいのチューをひとつ。