※大人設定

青道を卒業して軽く5年くらいは経ったんだろう。
いつの間にか御幸君はプロになって、私は御幸君が所属するチームのスポンサーの会社に勤めている。

付き合ったのは高校からで、最近物騒だからって半ば強制的に同棲なう。

そして彼は今日から約一週間遠征に行くのだ。

『御幸くん、御幸くん』
「んーあとちょっと...」
『もうそれ何回言えばわかるの、早く起きて!』
「今何時?」

焦点の定まってない目で彼は私を見る。

『6時。8時に家出るんだよね?だから早く準備して』
「えーまだ時間あるー」
『とか言って時間ぎりぎりまで引っ付いてきて挙句に離れたくなーいとかで泣き出す変態はどいつだ』
「え、なに?さみしいの名無しちゃん」
『は?』

我ながら冷たい声が出たと思う。
渡そうと思って握っているこの眼鏡を今すぐ粉砕してやりたいくらいだ。

「...ごめりんこ」
『わかったら早く準備...ちょっとだけなら甘えさせてあげてもいい...から』
「デレた!」
『永眠する?御幸くん』
「スイマセンデシタ」

なんなんだこいつは。とかいいつつ本当は自分だけ早起きしたのがなんか悔しかったなんて。私もわがままだな。

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