―――今日、私たちは卒業した。
「比翼連理という言葉をしっているか」
桜はまだ咲きはじめだ。
2人咲き始めの木の下を歩く
「知らないよ、蓮二」
彼の制服にはすでにボタンがない。
卒業式前にはあったはずだが、どうやらファンの子にとられたれらしい。
柳も少しやつれた顔をしている
――最後がそんな顔じゃつまんないでしょ?
「天では体がくっつき1羽になった2羽の鳥のように、
地では枝がくっつき1本になった2本の木のように、
仲のよい夫婦のことをさす。」
なんでそれを今いうの。
言葉はうまく発せられなかった。
かわりに隣を歩く柳に目を向ける
彼はただ、前を向いて歩いていた。
「――俺は立海の大学へは行かない。
だが、俺とお前はいくら離れても比翼連理のように永久に一緒だ。
お互いがいないと生きられないようなそんな関係であり続けたいと思う。」
彼は相変わらず前を向いているので表情はわからない。
でも、それでも、
「私もそう思う。
蓮二が違う大学へ行ってもずっと愛してる。
あなたはもう私の魂の片割れなんだよ。」
少しでもこの気持ちが伝わればいい。
来世でもずっとはなれないと、
「ありがとう。」
あなたに会えたのはきっと運命。
こんなに多くの人が世界にいるのに、私たちが恋におちて今隣を歩けるのは運命。
そしてこれからもずっと一緒にいる運命なんだね。