狂いながら壊れよう
2011/02/04 23:17
目が覚めたらスクアーロの部屋にいた。
それ自体にはなんの問題もないけど、スクの部屋にいるのはいつもの事だし。
ただ、身動きが取れない事を除いたら。
「……っとースクー?」
手足に手錠付けてベッドに縛るってどういうプレイ?
普段こういうのは私の方なハズなのに
……なんて笑えないな、
「呼んだかぁ?」
ガチャリ
音と共に入って来た彼は普通すぎて
「あの……これ何?」
「あぁそれかぁ?」
ギシリと軋むベッドもジャラリと揺れる鎖も気にならないくらいに
「お前はすぐどっか行っちまうからなぁ」
彼の笑顔が怖かった。
でも、それ以上に
「外して欲しいんだけど……」
「……」
泣きそうな顔をするから
「…ごめん」
「謝るな、俺が悪いんだ。俺が、俺が俺が俺が」
「っ、スクアーロ!」
やだ。
どうしたの?スク、どうしたのよ
「っぁあ゛、わりぃな……そうだ、腹減っただろぉ?メシ作ったんだ」
ちょっと待ってろなって部屋から出る彼。
暫くして戻って来た彼の手には私の好きなものばかりが乗っている
「ほらお前好きだろぉ?すきなだけ食え」
「…あの、手……食べれないよ?」
「俺が食わしてやるよ」
ほら、とスプーンを向けられて旨いかって聞かれる。
「美味しいよ」
「そぉかぁ!」
ちょっと笑えば満面の笑みで嬉しそうに喜ぶスクアーロ。
まるで褒められている犬のようでぶんぶんふった尻尾が見えるんじゃないかってくらい。
私が笑えば貴方も笑う?
…それなら――…
そうして共に壊れよう
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