コイツ
2010/12/05 00:35
妹の続き
あれから
俺はヴァリアーに入った。
俺に続いてアイツも入隊した。
ディーノはキャバッローネのボスになった。
ヴァリアーにはアイツと同い年のベルがいた。
ガキ同士。もちろん仲良くなった。
しかしアイツが俺から離れることはなかった。
ディーノは俺から離れてしまったのに。
ザンザスもいなくなってしまったのに。
アイツだけは……
「スク!」
いつでも俺を呼んだ。
笑顔を向けた。
滅茶苦茶やって時に問題を起こす事もあるけど、
それでもいつでも傍にいた。
いつしか、ディーノと重ねてではなく、彼女を見るようになった。
ある日
「なぁ、なんでカス鮫なの?王子にしとけば?」
「えー」
ベルとの会話が聞こえた。
出会ってからずっと好きだと言われてるが、アイツはなんて答えるんだ。
今更ベルと付き合うなんて、と思ったが、
中々その場を離れられない。
「私は」
あぁそぉかぁ゛……
「う゛ぉおい!ベルぅ!コイツは俺のだぁ!手ぇ出してんじゃねぇぞぉ!」
いつの間にか“コイツ”が好きになってたんだ。
(スクっ!やっと言ってくれたっ)
(…これからも離れんじゃねぇぞぉっ)
(ししっ、カス鮫うぜー)
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