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―――あれから、城に置いてもらうことになった。 取り敢えずモンスター出たら狩るよ!みたいなスタンスなんだが、まあそう簡単に見つかる訳がない。人里になんか早々来ないもんなあ。いや、来られても困るしけど。主に俺の仕事的な意味で。 やることないなー暇だなーとブラブラしてたら、庭?みたいなところで、あの三人が言い合いしてた。えーっと、何てったっけ?ナルガを相手にしようとしてた自殺志願者トリオ。
「や、兄ちゃん達。仲良いね」
「どこをどう解釈したらそうなるのだよ!」
素直に言ったら、もふもふの兄ちゃんに怒鳴られた。喧嘩するほど仲が良いって言うじゃんかバーカバーカ。 銀髪の兄ちゃんも呆れ顔、リーゼントさんは疑問顔。今のやり取り分からないんだとしたら、それどういうことなの馬鹿なの死ぬの?それより、名前何てったっけ?秀吉さんに聞いたんだけどなあ。 足りない脳みそをフル回転させて、何とか思い出した断片。漸く、目の前の人間と繋がった。
「思い出した!もふ成とキヨとリーさんだ!」
ピシッ、と音を立てて、空気が凍った。あれ?また地雷?もう俺テロ屋って名乗ろうかなあ主にKY的な意味で。 硬直したままの三人を放置して逃げようかなあ、と踵を返した瞬間、ゴツッ!と後頭部に衝撃。痛いなあ全くもう。 振り返ると、もふ成が鉄扇を構えてこっちを睨んでた。お前のせいかコノヤロー。
「いったいなあもふ成。その頭もふもふしちゃうぞ!」
「なんの脅し文句だ。そして俺はもふ成では断じてないのだよ!」
ぎっ、ときつく睨まれたって別に怖くない。モンスターの方が凄いもんね!目が合っただけで殺されそうなモンスターとかいるからね!……俺、何に言い訳してんだろ。 あーそうですかーと適当に聞き流してたら、今度は横から声がかかった。えーと、銀髪だからキヨだキヨ。
「お前、何してんだ?」
「お前じゃなくてアルバだからねー。暇だから散歩!」
にっ、と笑ってみせれば、キヨは呆れたように溜息をついた。なんだよう、別に良いじゃんか!スクランブルが何時かかるか分からな……いや俺軍人じゃないし、かかる訳無いんだけど、意味的な感じでね。
「アルバ!リーさんって俺か?!」
「え?うん、そーだよ。髪型から取ったんだけどねー」
「アルバは分かんのか!マジパネェ!!」
うん、どういうことだかサッパリ分からないやゴメンねリーさん。 適当にへらへら笑ってたら、もふ成とキヨが呆れ顔で溜息をついてた。いいじゃん、リーさんだって分かってないし。
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