正直ピエロと嘘つき神様


※むそバサ番外・無双世界
※本気で悪ノリの産物
※元稀の信親のみ
※ヤンデレ注意
※カオス。










―――まどろみの中に浮かんでいた意識は、急激に覚醒した。
見据えた先は、見慣れた天井。岡豊城の、俺の、部屋。痛む身体を無理矢理起こして、辺りを見回した。特に変わったことはなく、布団の横には水と薬が置いてある。
ぼんやりとそれを眺めていると、近づいて来る気配に気が付いた。一人だ。
開けられた障子の向こう側には、信親の姿。


「お目覚めになりましたか」

「ああ、おはよう。……どれくらい寝てた?」

「十日かと」


即答されたことに、苦笑い。わざわざ数えていたということは、少なからず心配してくれたのだろう。
失礼します、と近づいて来る信親に、意識が警鐘を鳴らした。動けないことは無いが、動く気は起きない。それは俺の諦観なのか、信用なのか、それとも。
横に座ると、信親は不意に肩を掴んだ。ご丁寧にも、先の戦で怪我をした方だ。ぎちぎちと軋む肌と痛みに、軽く顔をしかめる。


「元親様」


ぐっ、と押されて、身体は再び布団に沈む。ああこれはマズイか、などと思っているうちに、両の手が首にかけられ、力ずくで絞められる。


「か、は……っ……」

「元親様。元親様元親様元親様元親様元親様元親様元親様元親様元親様―――あさき、さま、」


薄れていく意識の中で、聞こえるのは悲痛な声。泣いてくれるな、ちゃんと分かっている。だからきちんと、此処にいるだろう。
ぎちぎちと悲鳴をあげる身体とは裏腹に、思考は鮮明なままで。


「何死にかけてるんですか。死にかけやがってるんですか。貴方を殺すのは俺なのに、そう約束したのはアンタなのに。どうして俺以外に殺されるような真似をする、俺に"  "さえもさせない気か。そんなのは許さない許せない許せるわけがない、赦して、たまるものか」


壊れていく殻と、見え隠れする狂気。大丈夫だ、忘れる訳が無いだろう。俺が連ねた罪の対価を、贖罪のための罰を。
未だに力が緩まない腕にそっと触れる。する、と撫でると、腕は唐突に、俺の首を解放した。一気に空気を取り込んだことで、盛大にむせ返る。


「忘れ、など……しない、」

「…………………」

「最期は……その手で、終わら、せろ。は……っ、分かって、いる……の、だろう?」


荒い息でそういえば、信親は壊れたように笑った。
瞳の奥に燃えるのは憎悪か、愛情か。それとも、全てを燃やし尽くす業火なのか。
そっと俺を抱きしめると、甘えるように肩に顔を埋めてから、小さく囁いた。


「アンタが望む限り、殺してなんかやるものか」









正直ピエロと嘘つき神様
(わるいのは、どっち?)

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完璧に悪ノリです。というかごめんなさい。
ツイッタでお話してたらちょこっと名前が出たものですから……ええ、それだけだったんですけど。←
信親君の本質はこんな感じです。怖い怖いw

……というか、こんなものを書くくらいには疲れているようです←



2012/07/13 23:17




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