懺悔、贖罪、断罪は己で。


※むそバサ番外・BSR世界IF
※無双元親成り代わり主=元稀(あさき)
※逆ハー主が来てBSR側から嫌われました
※唐突に始まって唐突に終わる
※取りあえず酷い
※崩壊寸前どころか壊れました
※ほぼ独白








「何処かおかしいと思ってはいたが、なるほど、そういうことだったか。まあ別段それはどうでもいいが、ならばすぐに追い出せば良かったのではないか?此処まで引っ張ってきた理由が俺には理解できんな。したくもないが。それともなんだ、俺が心変わりするのを待っていたとでも?ならばその見解は間違っていたと言っておこう。ああこの際だ、素直にはっきりと言うか。俺が彼女を襲うなど在り得ない。そもそも俺は彼女に何の感情も持ち合わせていない。整った顔立ちはしてると思うが、ソレ止まりだ。何をそんなに怖い顔をする?"かわいそう?"それは悪かった、一応詫びておこうか。形式だけはな」


口を挟めないような言葉の羅列に、一瞬怒りさえも忘れてぽかんとした。
元稀があんなに饒舌に話すなど、今まで一度も見たことが無い。表情は相変わらず、というより何時もよりも明らかに表情が無い。無いというよりは、"壊れて"いるようで。


「No kidding!テメエ、何を言って―――」

「"何を"?俺が言いたいくらいなのだがな。貴殿らが何を言っているのか、俺が詰問したいくらいだ。もう今更どうでもいいが。俺が言った言葉など聞きいれぬのだろう?少し前から、いや、彼女が来てからそうだろう?何度忠告した?何度警告した?何度同じ言葉を繰り返した?もう疲れたんだ、だから言うことをやめた。貴殿らが俺の言うことを聞きもしないなら、俺だって聞く必要はあるまい?理不尽?自己中心的?ああ何とでも。先程も言ったとおり、俺はもう疲れたんだ。だからこれ以上貴殿らに関わるのは遠慮したい。今すぐにでも此処から消えてやろうと言っているのに、ソレを拒んでいるのはそちらだ。そうだろう?」


口調も雰囲気も変わらない。ただ、表情だけが、壊れて崩れていくように、無表情さは段々となくなって、うっすらと笑んだようなものに変わっていく。眼は既に、俺たちを映しているのかどうかも分からなくなって、鉄のようにぼんやりとしていた。


「ああ、くだらない。くだらないくだらないくだらない。この世界も何もかもがくだらない。そういえばそもそも俺はここに居る理由などないわけだ。相当疲れてたんだろうな、気付くのが遅すぎた。もう少し早ければこんな面倒ごとにはならなかったろうに。しくじったな、俺としたことが。……ああところで、俺は何時まで此処に居ればいいんだ?もう良いのならば俺は行くが。何処に?決まっているだろう、そちらの認知範囲外だ。その程度も分からなくなったか?お互いにそうして欲しいと思っているんだ、好都合だろう?それともまだ何か?ならばさっさとしてくれ、これ以上此処に居るのは俺の精神衛生上宜しくない」


まるで何かを演じているかのように、つらつらと紡がれる言葉。
だが、どうして、何故、よりも先にああコレが本性だったのか、と根拠の無い納得が思考を埋め尽くす。


「そうでござるか。ならば、今此処で死んでくだされ。さすれば、精神衛生など考えずに済むでござろう」


真田の言葉に、元稀は一瞬だけきょとん、として―――それから、軽快に笑ってみせた。また、こっちが呆気にとられる。アイツがこう笑うなんて、初めて見た。そもそも、想像さえしていなかった。
ひとしきり笑ってから、元稀は完璧に壊れたような表情で、こてん、と右に首を傾げた。青から銀に変わっている前髪が落ちて、隙間からのぞく眼が、酷く恐ろしい。


「残念だが、それは無理だな」

「死ぬのが怖いの?アンタも大概無様だね」

「いいや?この状況下だ、今更死などどうという事は無い」


だが、と続けた言葉から、元稀の表情が変わった。
愛しそうな、慈しみを持った、穏やかな表情。


「俺が戦や怪我、病気―――そういう不可抗力意外で、俺を"殺す"許可を与えたのは俺の愛しい倅だけだ。俺が巻き込んだ、俺が教えてしまった。知らなくて良かった事ばかり、背負わずに済んだはずの責ばかり、持ち得なかった感情ばかりを。だからアイツらには、俺を殺す権利がある。此処で殺されるのは簡単だろう。楽だろう。だが、それは本意ではない。だから殺される気はさらさら無い。そうなるくらいなら、俺は自ら命を断とう」


もう、何も言えない。構えている武器の切っ先さえ、動かす事は叶わない。
すらり、と抜かれた懐刀。光を反射するソレを、元稀は躊躇なく首筋に当てた。


「この業を一人で背負えない自分が、甘えた事で出来た"咎"。何も誇れない。何も与えられない。何も持ちえない。作り上げられた"虚像"は、何時か現実味を帯びて、幻想を殺していく。その結果が、代償が―――コレだ」


にい、とあげられた口角。泣いているように見えるのは、俺の幻覚なのか、否か。
遠くから、藤次郎や源二郎の声が聞こえた。元稀は小さく、目を細める。
ここまでか、と、小さく零して、俺たちを見据えた。


「俺が"自分"で居られるうちに絶望させてくれた事には感謝しよう。罵って、虐げて、アンタなんかいらないと、"俺"を潰してくれた事だけには、礼を言おう。さあ、時間だ」


元稀を呼ぶ声が、段々大きくなっていく。元稀はそっちを向くと、小さく手を振って、ぐっ、と懐刀に力を入れる。






「――――ごめん、なさい」






飛び散る赤の中に透明が混ざっていたのは、見間違いじゃ、ねえ。








懺悔、贖罪、断罪は己で。
(誰にも、この罪を裁かせはしないと)
(悲鳴は声にならず、燻っては溶けていく)

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スイマセンでした。
いや、パソコンが調子悪い腹いせ+壊れて理不尽に一方的に饒舌にしゃべる元稀が書きたかった。それだけです(けど何か←)
間違ってもこんな事しませんw多分wwww←


2012/03/29 17:57




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