レギュラスが倒れた。そう聞いて、私はどうしてそうなってしまったのかがわからなかった。だって、レギュラスは基本的に規則正しい生活を好んでいたはずだし、好き嫌いもそうなくて、適度な運動もしていて、倒れてしまうような原因なんて見当たらない。

私はレギュラスよりもレギュラスのことを知っていると思っていたから、そんな馬鹿なことがあるはずないと思った。でも、少ししてやってきた救急車は、嫌な予感しか教えてくれない。


「レギュラスは心臓が弱い」

集中治療室から一番近い待合室、シリウスが神妙な面持ちで口を開いた。

「え…どういう…」

「生まれつきなんだよ。いつ発作が起きてもおかしくないって、親父から聞かされた。心臓が弱いのは聞いてたけどよ、それを聞かされたのは本当に最近だ」

「嘘、そんなの、私そんなこと聞いたこと、」

レギュラスのことなら何だって知っているつもりでいた。もちろん、高校に入ってからはどうかわからなくなっていったけれど、少なくとも中学までのことなら知っているはずだった。でも、心臓が弱い?生まれつき?そんなの、聞いたこともない。

「それに、発作って、それじゃあ」

「助からない可能性の方が高い」

シリウスの言葉が、死刑宣告のようにしか思えなかった。心臓が痛いのはきっとレギュラスなのに、私の心臓がぎゅうっと絞めつけられていた。レギュラスは、そんなこと、教えてくれなかったのに。約束したのに、嘘も隠し事も、全部なしだって。


レギュラスは、献身的な治療の甲斐もなく。そのまま、



110906