俺のせいだ、とハグリッドがうな垂れた。

なんでも、消灯時間より後にハリーたちが来ていて、それを、多分つけていであろうドラコが、マクゴナガル先生に言いつけたそうで、みんなは罰則として夜の禁断の森へ行かされるのだという。

最近になって、禁断の森ではユニコーンの死体が何体か見つかっていて、それを探しに行くのが罰則なのだけど、それを殺したであろう人物が、ハグリッドは恐ろしくて、そしてそれがハリーに害成すのではないか、と。

「でも、本当にそんな罰則があるんだね…どうしよう、私もハリーたちやドラコに何かあったら…」
「ああ…俺のせいだ…もっと注意しときゃあ…マルフォイのやつも…」
「暗い気持ちになってもなんにもならないよ…はぁ、今日の夜だって?私、どうしよう。何か問題起こしてフィルチさんの気でも引こうか?」
「んなことしたってお前さんも別の罰則になるだけだぞ。悪いこたぁ、言わねえ。やめとくのが正しいぞ。…ハリーたちは…」

ハァ、とため息が出る。まさかドラゴンがこんな風なことを運んでくるだなんて。私が世話を手伝いに行っていたのはいつも消灯時間よりも早かったから、怒られるようなこともなかったのだけど、ハリーたちはやらかしてしまった、ということだろう。もともと、ドラゴンは人が育てられるようなものではないのはわかっていたけど。

私も行けたらいいんだけど、なんて思っても、私がついて行けたところで何の解決にもならない上、全く意味がない。ハリーたちに何も起こらないことを祈るしかないのだ。

「あの、くれぐれもドラコをよろしくね。あの子、すごく怖がりだから、どこかへ逃げ出して、道がわからなくなって…なんてありえるから。何か言われたら私から頼まれてるって言ってくれたら、少しはましになると思うから」
「おう。あんなんでもうちの生徒だかんな…そしてお前さんの弟でもある」

任せろとばかりに、どん、と自分の胸を叩くハグリッドに、そっと胸を撫で下ろす。

消灯時間を過ぎて寮を出ていたハリーたちが悪いのもあるけれど、それを先生に告げて自分も出歩いていたことを責められて罰則行きになったドラコは、今回の罰則の大きな一因でもある。それでも、どうにかしてくれるというから、やはりハグリッドはお人よしで、とても根から優しいのだろう。

「私じゃ何も出来ないけど…ハグリッドも気をつけてね」
「おう…健闘を祈っちょってくれや」
「うん…」


(よるのもり)
121112