学生時代において、2歳の差はやっぱり大きい。俺が遊び呆けている隙に、綱海さんは受験がどーのとか言っている。
考えるだけでこわい。あの綱海さんが『受験勉強』。ちょっとだけ笑った。

「…寂しいです」
「ああ、俺もだぜ」

福岡と沖縄なんて、地図で見るよりよっぽど遠い。海を越えなきゃならないのがその元凶だ。

「寂しいです」
「ああ、ありがとな。おまえが呼んだら、会いに行ってやるからよ」

受験勉強忙しいのにですか、と言うと、んー、と曖昧な返事を返された。

「おまえのこと幸せにするために、いい高校入りたいしな!」

恥ずかしげもなくそう言うこの人を、俺のほうこそ幸せにしてやりたい。
クサい台詞も綱海さんが言うと、本気で信じられる。

「が、んばってください…」
「おう!―――なあ立向居、」
「はい?」

綱海さんがちょっとだけ真剣な声。めずらしいからちょっと緊張する。

「おまえも俺もいい高校卒業したら、福岡に住もうぜ、一緒にな」

それから赤い頬をかきながら、やけに外れた声で福岡の海を語りだした。
俺も言われたままじゃいやだ。
…じゃあ俺は、

「じゃあ俺は、綱海さんのお家に行って、」
「『息子さんを俺にください』だろ?」

………太陽の笑顔で笑われたから、なにも言えなくなった。
確かにそれは俺の言おうと思ってたことですけど…!

「…つなみ、さん」
「おまえの両親に言ってやるから待っとけ。な?」

俺がはい、と言う代わりに、ガバッと綱海さんが俺に抱きしめられる音がした。

























20101116
短い
ぶっちゃけネタが無かっ((ry

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