はじまりのおわり
「会いに来て」。彼はそう言った。
―――――会いに来てよ、へいすけ。生まれ変わって、また同じ名前で生まれたら。俺を探して会いに来て。
やだよ、俺は「今」お前と生きたいよ。この世で勘ちゃんと生きたい。そう言ったら勘右衛門は微笑った。
―――――泣き虫だなあ、へいすけは。大丈夫。俺も、探すから。
やだよやだやだ、置いていかないでよ。まだ、まだ生きれる。だからそんなこと言わないで。
―――――ねえ、へいすけ。
なあに、勘ちゃん。
―――――またね。
全てが無音の世界になった世界で、おれは、
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