ばるーんどりーむ ― 6/2



「〇〇スーパー裏側の廃ビル、案内しろ」

夜も7時を回り、まったりと夕飯後の片付けをしていた俺の隣にひょっこり現れたローンはそう言ってのけた。
あーはいはい、なんて返事をする間も与えられず、俺は首根っこを掴まれずるずると外へ引きずられる。
手についた泡を落とす暇があっただけマシ。文句なんて言わない。そんなこと宣えばさくっと殺られかねない。彼女は殺し屋なのだから。






人の往来が少ないという立地のため、もう明かりが消えてしまっているスーパーの周りをぐるりと遠回りするように目的地へ向かう。
なんだか、目的地に近づくにつれ空気が冷えてきているような。
これが嫌な予感と言うやつか。とうとう俺の第六感も才能を開花させる時期が来ようとは。いやまあ、こいつの用事にまともなものなんて今まで1度だってなかったけど。
一言も話さない隣の少女をこっそり覗く。能面のように、全くの感情を排した表情。コイツがこういう顔をする時、それは十中八九仕事の時だ。

……最悪だ、人殺しの手伝いだなんて。


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