嗚呼、あなたが好き。





R指定にはする程でもない程度のあれな表現を含みます。注意!!←





















例えば、簡単に切ってしまえる。
あなたの風切り羽根なんか。













坊に、何も残らへんかったらええのに
たまに、ふと、そんな風に思って自嘲する。
酷い奴なんや、俺
そんな風に、坊に俺だけが残ったらええのにとか思って、黒い塊がぐるぐるする


一生懸命歩いてはる坊を見て
そんな風にしか思われへんのや


最低


「し、ま、…っ」

「坊、どないしはったんですか」

組み敷いて、喘がせて、鳴かせて、イかせて優越感

二度目の絶頂が近付いた坊が力いっぱい腕を掴んでくる。

あぁ、いっそ手形が付けばええんに
ほんで、それが落ちんかったらほんまにええのに

一生消えんかったらええんに


「坊、堪忍…」

「ぁ、ひっ!はっ、ぅ………っふ」


穿って煽って上り詰めて、放って空っぽ劣等感


また、汚した
また、坊を

「し、ま」

「あぁ、坊。堪忍え………っ」

勝手に込み上げる涙を飲んで
坊の夢を一緒に泳ぐんは、無理やさかい
せめて、いつでも飛び込めるように

「志摩、」

「堪忍え…」

ごめんなさいを繰り返すしかなくて

汚したいんじゃなくて
傍にいたいじゃなくて

守って、その手を引っ張りたいんに


「泣くなや」


いつも手を差し伸べられるばかりで






気がついたら泣いてばかりで
そんな風に生きていくしかなくて



『志摩は、どっこもいかんよな?』



風切り羽根なんか簡単に切ってしまえた。
あなたの為なら




あなたの為なら、空なんて夢見ずに済んだ。


あなたの為なら、どんな道でも歩いて行ける。




あなたの為なら、どんな海でも泳いでみせる。
恐怖と臆病を引き連れて









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