君の腕に泣いた日。





ベッドに腰かけて、経典を読んどったら腰に巻きつく細い腕



「なんや、」

「………」

「…志摩?」

「坊、…好きやー」

「あ?」

「好きです」

「……………知っとるわ」

淡いピンクに指を絡める。
経典を置いて、頭を撫でる。

「なんや、どないした」

「坊は、俺より大事なもんがいっぱいあらはるから……」

「んなことあらへん」

「ええんです」

何を不満に思っとるんか知らんけど…
腰に巻きついた腕に力が籠もる

「お前は、何が不満なんや」

「不満やないんです。ただ、ちょっと不安なだけです。」



『せやから、気にせんといてください』


不安か…
不安なんかぎょーさんある

志摩の額の疵痕を親指の腹でなぞる

「俺は、お前がおったらそれでええ」

「坊…?」

「そんくらいにはお前のことが好きや」

「…坊!!!!!!!」


飛び上がって抱きついてくる志摩を受け止める。

近付いてくる唇もしゃあないから、受け止めたろう。


どや、俺の愛はでっかいやろ?


やから、不安になんてなんなや、俺にまで移ってまうやろ。



腕の中で心が泣いた。








[目次]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -