ハッピーデイズ











「なんや、お前唇カッサカサやないか」

「あー、乾燥の季節やしーしゃあないやんかぁー」


あぁー、春ってちょうどええ気温やし気持ちええけど。乾燥するわ、虫さんはよぉけおるわ、これからどんどん増えて行くわけやし

「あー、嫌やなぁー」

「はぁ?お前、なにトリップしとんや。」

金兄が、デニムのポケットから何かをガザガサ探している。

「これ、貸したるわ」

手から、小さな白いスティック状の物が放物線を描いて飛んでくる。

手を伸ばして、受け取ったんはリップクリーム。しかも、ビーチ味。

「………金兄、こんな可愛えん使っとんの?」

「ファンの子にもろたんや!!貰いもんやさかい、使わんと勿体無いやろ!!///」


ふーん、へー
ビーチ味塗っとんや………


「ん?ほんなら、金兄とチューしたらビーチ味なん?」

「はぁ?お前、ほんまにアホやなぁ」

「いやいや、大事なことやで」

そら、ちょっと真剣にもなるわな
金兄との距離を少しずつ詰めてみる。

「え、なんやお前きもっ、ちょお、近付くなやっ」

「いや、ええからええから。気にせんとってええで」

「や、気になるやろ!近っ、近すぎやって」

「ちょお、金兄黙ってやー」



ちゅっ



「あれ、ビーチ味やないねんな」

「な、な、……///れんぞ…お前、……」

「あ、塗ってへんからか!!金兄もっかい!!今度塗ってから!!!」





「お前ら煩いわぁー!!!!!!!!!!!!!!!」

スパァーン




「「あ、柔兄ごめん…」」








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