懺悔するように。






「なぁー、金兄ってな、いつ抜いとるん?」

「はぁ?!お前、なに言うとんやっ」

おお、動揺しとる、動揺しとる

「やってなー、バンドの練習にライブに仕事にーて、忙しいやんかー」

「そやけど……お前、」

顔真っ赤にして、可愛えなぁ
金髪から覗く耳も赤いし

なんか、ちょっとムラっとくる



「なぁなぁ、金兄。」

「なんや、」

「俺が抜いたろか?」


ほんまは、この実の兄に恋心を寄せとるなんて微塵も見せんけど

耳元で、少しだけ声を落として耳朶を噛む。

「っ!!!!!!!」

拒否に動く腕を掴んで、壁際に追いやって更に舌を耳に伸ばす。

「……っは…れ、んぞー……やめ、」

「うん、ごめん。やめられへん」

「ぅ、…ん……も、ちょ…」

唇で首筋を撫でて、鎖骨を噛む
薄い色の皮膚を吸い上げて、離す

金兄の足から力が抜けるまで繰り返す

「っはぁ、れん、ぞーもう、やめぇ……」

ズルズルと壁沿いに落ちていく、体を唇で追いかける。

ちゅっ、ちゅっ
音を立てて露出された少ない皮膚を追いかける。

この手離したら、金兄が腕回してくれたらええのになぁ

でも、きっと飛んでくるのは拳骨やと思うし
しゃあなしに、一回腕を解放してやる。
なるべく殴られても痛くないように、力なんか入らないように金兄が感じてくれる耳への愛撫も忘れずに

「あ、ぁ……んぅ…、おまっ、どこさわっ、ひぁっ…」

既に立ち上がってた、金兄自身を掌で包み込んで緩く上下させる。

あ、目元真っ赤やん
可愛えなぁ
そんな、涙溜めた目で見られたら理性飛んでまうなぁ…
最後までなんてする気ないんやけど


「ちょっと、金兄ごめんな」

立ち上がったモノを口にくわえて射精を促すように舌で転がしてやる。

「あ、れんぞ、きたな、…ん、っはぁ…や、」

俺が我慢出来んようなるから、早くイって欲しい。
でも、もっとこの可愛え顔見ときたい


矛盾ってこういうことなんやなぁ…

尿道に舌をねじ込んで軽く吸い上げると金兄の足がヒクッて揺れた。

「金兄、イってええよ」

「、っいや、や…」

「ほら、我慢せんと」

口は休むことなく、舌を絡ませて
掌で脇腹を撫でる

短く、繰り返される痙攣に心臓は高揚していく。


「あかん、れんぞ…はなっ、…!!!」

「んー」

放たれたものを勢いよく吸い上げて、口を放す。


顔を上げて、金兄を覗きこんで目の前で口の中のもんを吐き出す。


「っ!!!!!///」

「金兄、あんま濃くないな…」

肩で呼吸を繰り返す金糸の髪を空いた手で梳こうと伸ばす

パシッ

小気味いい音で拒否された
ああ、うん、分かっとったけど

力が入らんやろうに、フラフラと部屋を出て行く姿を目で追う。


白濁の残骸をティッシュで丸めてゴミ箱に放り投げる。



金兄はきっと、柔兄んとこに行く。
きっとなんも話さんやろうけど、隣で経典でも読むんやろう
自分から、壊した癖にやっぱり金兄の欲に濡れた顔がこびりついて心臓が痛くて泣いた。



「あんま、濃くなかったし……金兄、そういう相手でもおるんかなぁ…」


ひっそり、呟いて自分が傷付いていることに気が付いた。




若気の至りですむならば、何度だって手を伸ばすけど、いくら懺悔しても許されないし、考えるのが面倒になって投げ出した。



「だって、好きやし。しゃあないやん」





畳に呟いた言葉は吸収された。










[目次]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -