青黒
夢を見ていた。
中学時代の夢だ。赤司君のメニューは今日も半端ない量で、僕は練習後、例のごとく部室のベンチに寝そべっていた。
「まーたへばってんのか、テツ」
「……青峰君」
顔を上げれば、青峰君が僕をのぞきこんでくすりと笑っていた。彼は僕の頭の横、ベンチの空いている部分に腰を下ろし、僕の方へと腕を伸ばす。いつもは僕の頭をくしゃくしゃとなで回す大きな手は、今日は目隠しするみたいに僕の視界をふさいだ。
「これじゃあ見えないですよ」
青峰君は、答えない。
「青峰君?」
そして僕は、この時急に我にかえった。
彼がこの先遠くに行ってしまって、もうここには帰ってこないと、僕は彼と一緒にバスケができなくなってしまうことを思い出したのだ。
「……いやだ、青峰君、どけてください、顔を見せて」
頼んでも青峰君は手を退けてくれない。
「青峰君、青峰君っ」
伸ばした腕は空を切るばかりで。
「いやだ、青峰君、行かないで……っ」


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14話のエンドカードにやられて妄想




2012/07/10
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