高緑高詰め
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すきだ、と、俺が今までずっと口にできなかったその一言を、真ちゃんはいとも簡単に言ってのけた。
どうして、どうして。だってお前は怖くはないのか。気味悪がられたりしないかな、嫌われたりはしないかな、もう今までのようにはいられなくなるかもしれない、とか、考えたりはしないのか。俺はずっと、そんなことばかり考えてたよ。怖くて、怖くて、お前のことを好きな気持ちを抑えようと必死で、必死で。
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俺はなんだか、いつまでもずっと真ちゃんの隣でバスケができるって錯覚してたけど、よく考えたら俺と真ちゃんの頭の出来は天と地ほどの差があったわけで、ついでに言えば、真ちゃんは理系、俺は文系だったわけで、つまり。
高校を卒業して、真ちゃんは国立医学部、俺は私大文学部へ進学した。まあ、おんなじ都内だけど、一年から授業数の多い真ちゃんと、バイトやサークルに勤しむ俺の生活サイクルは合うはずもなく、それでも最初は二人で空き時間にストバスしたりもしてたけど、まあだんだんと会わなくなって。
「んで、連絡取らなくなってもう半年、高尾っちがもやもやしてたとこに、黒子っちからこの写メが届いたと」
黒子から送られてきたのは、真ちゃんが学食で俺の知らない女とラーメン食ってる2ショットだった。タイトルの『嫁が浮気してますよwwww』ってのがまたうぜえ。草生やすな。ちっとも笑えねえんだけど。
ちなみに黒子は真ちゃんと同じ大学、黄瀬は俺と同じ大学だ。黄瀬とは大学に入ってからよくつるむようになった。結構気が合う。
2012/10/01