詰め合わせ
木日
時が過ぎるのが恨めしい。
冬が終わる頃には、木吉はまた、俺の前からいなくなってしまう。手術を先延ばしにして膝を酷使したツケだ。仕方ないといえばそれまでだが、俺は未だにその事実を受け入れられずにいた。


青桃
どうしてなんだろう。小さい頃は、二人で一緒にバスケだってできたのに。私でも、大ちゃんの相手になれたのに。
成長して、大ちゃんの背はぐんぐん伸びて、私は大ちゃんと話をする時、一生懸命上を向いて話さなければならなくなった。
一方私はといえば、身長は中学に入ってからほとんど伸びなくなり、胸ばかりが大きくなった。いらないとは言わないけど、胸より身長の方が欲しかった。
いままで意識しなかった、大ちゃんは男で、私が女だってことを、実感させられた。それから、私だってこんなにバスケが大好きなのに、もう私は大ちゃんとは対等にバスケができないってことも。
「男の子に生まれたかった」
そうすれば私も、大ちゃんと、みんなと一緒に、バスケができたのに。みんなの才能が開花して、バラバラになって行く時、指を咥えて見ていることはなかったのに。テツくんに、あんな思いをさせることも、大ちゃんがスレることも、なかったかもしれないのに。


青桃2
だからさあ、さっさとマネやめろっつってんのよ、わかんないの?
一つ年上の名前も知らない先輩が、私の髪の毛を引っ張りながら叫ぶ。もう何回目かもわからないその台詞に、心の中でため息をつきながら、私は先輩をキッと睨んだ。
「やめません。私、バスケ好きですから」
「そんなこと言って、本当は黄瀬君やレギュラーにちやほやされたいだけじゃない!」
あ、なんだ。きーちゃんのファンか。
「そんなことありません。私、バスケ好きなんで。……もういいですか、そろそろ行かないと部活に間に合わないです」
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いやがらせとかそういうのを悟られないように隠してる桃井と何年幼馴染やってると思ってんだよ、バレバレなんだよっていう青峰


青♀黒
グラビアは好きだ。おっぱいのデケェねえちゃんも好きだし、セックスだってしてみたい。でも、お前とセックスしようだなんて、これっぽっちも思ってねえ。
だってきっとお前は痛いだろうし、妊娠とか怖いだろうし、それは俺も怖い。よく映画とかで学生の主人公が妊娠して、彼氏が「学校やめて働くよ」なんてのがあるが、現実的に見ればあれは絶対バッドエンドだ。そういうのは稼げるようになってからだ。
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エロ峰が好きだけど、
♀黒の場合黒子をだいじにだいじにしてセックスしないピュア峰と、いつまでも手を出してこないので不安になる黒子に滾ったので


今青
「今吉サン、俺、すこしだけ後悔してる。……何であん時テツの手ぇ振り払っちまったんだろうな、って」
もう、一番近くにはいられなくなっちまった。アイツの光はもう俺じゃない、火神だ。
青峰はゆるく握った拳を見つめる。
誠凛に負けたあの日、合わせた拳。帝光時代、合わせることなく黒子を突き放した拳。
「……柄にもないこと考えとるみたいやけど」







2012/09/11
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