青黄
※大学生パロ


冷蔵庫から取り出したキャベツには、黒いカビが生えていた。ジャガイモからはすこし酸っぱい臭いがする。黄瀬ははあ、とため息をついた。
「ねえ青峰っち、キャベツとジャガイモ、ダメになってるっスよ」
黄瀬は異臭を放つ野菜たちをゴミ箱に片付ける。青峰は返事をしない。冷蔵庫には食べられるようなものがもう入っていなかった。黄瀬は棚からパスタとレトルトのソースを取り出した。


ふたりが大学生になって、もう2年目の夏である。黄瀬はバスケ部にもサークルにも入らず、芸能活動に本腰を入れており、青峰はバスケ部とバイトに精を出している。ふたりの生活リズムはなかなか合わないが、たまの休みに黄瀬がこうして青峰の家に通っている。青峰は生活能力が低い。放っておけばコンビニ弁当やらジャンクフードばかり食べるし、洗濯物は溜めるし、部屋は散らかす。一人暮らしを始めてから一年と数ヶ月、未だにゴキブリと遭遇していないのは黄瀬が定期的に部屋を掃除するおかげだった。


「ほら青峰っち、パスタ食わねっスか」
テーブルの上に皿を二つ並べながら、黄瀬はベッドに寝そべる青峰に声をかける。んー、だかあー、だかよくわからない返事をして、青峰が起き上がる。テーブルの上のパスタを見て、顔をしかめた。
「俺、カルボナーラよりミートソースのが良かった」
「これしかなかったっスよ!好きじゃないなら買わなきゃいいじゃないっスか」
「それ、こないださつきが置いてったんだよ。俺が買ったんじゃねーし」
口答えしながらも、青峰はパスタを口に運ぶ。どうやらカルボナーラも嫌いではないらしい。ただ、今はミートソースのが食べたいだけで。
「これ食べたらさ、」




黄瀬が通い妻みたいなことをしてて、青峰にとってそれがだんだん当たり前みたいになっちゃって、
仕事でイライラしてる時に青峰が優しくなくて、あれ、俺って青峰っちの家政婦じゃない、恋人なのに、ってもやもやが爆発する
っていう青峰と黄瀬の喧嘩話






2012/08/29
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