青黄
※大学生パロ

時刻は深夜2時過ぎ。部活とバイトで疲れ果てた身体をずるずると引き摺って、築三十年のオンボロアパートへと帰る。ポストの中を探っても鍵がない。
黄瀬が来ているのだ、多分。


ドアを開けると、規則正しい寝息が聞こえてきた。まるで胎児のようなポーズで、丸まって寝ている黄瀬がなんだか可愛く見えたが、そこは俺のベッドだ。四畳半の部屋はベッドとテレビとカラーボックス、小さなテーブルを置いてしまえばろくなスペースがない。寝る場所はベッドだけ。だから黄瀬を起こして端に追いやる必要があった。
俺は黄瀬の肩に手をかけ、珍しいことに優しく耳元で声をかけた。
「おい黄瀬、起きろ。俺が寝れねーだろ」
しかし黄瀬はんん、と身を捩って再び規則正しい寝息を立て始める。
三回繰り返したところで俺の堪忍袋の尾が切れた。
「オイ黄瀬ェ、テメー何様だ!ここは俺のベッドだっつってんだろ!」






2012/08/29
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