今♀青
「るせーよ!」
カッとなった青峰が今吉の顔面向かって拳を突き出した。今吉はその拳を片手の掌でいとも簡単に受け止める。青峰がちっと舌打ちした。
「知っとるか?ワシも若松も桜井も、女の子の拳くらいなら止められるんよ」
「黙れ、女だからってなめんな!」
「なめてへんよ、ただ」
今吉は青峰の薄い肩を押し、壁へと押し付け間合いを詰めた。そして耳元で囁き、首筋を伝う青峰の汗をべろんと舐め上げた。
「お前さんも女やってこときちんと自覚しとかな、痛い目見んで」
青峰は今吉の股間を蹴り上げ、呻いた今吉を突き飛ばす。今吉はどすんとしりもちをつき、「あおみね、それはあかん……」と呟いた。
「うるせえヘンタイ、死ね!」
と吐き捨て、青峰は走って逃げていく。その耳が真っ赤に染まっているのを見て、今吉はにいっと笑った。
「何や、可愛ええお嬢ちゃんやないの」




2012/07/26
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