※生理ネタ

「女の子に生まれたかった」
そうしたら俺も大ちゃんや皆とバスケができるのに、そう言ってさつきが笑うのを、俺は聞き逃すことができなかった。
「…さつき、今のもういっぺん言ったらぶん殴るからな」
「…大ちゃん?」
俺は男に生まれたかった。こんなにもバスケが好きで好きで好きで、だれにも負けたくないのに、本気出した強い男相手に戦ったら絶対に勝てない。挙句、『中学生の女の子に本気で戦えやしないよ』なんて言われて手加減されて。
俺は男に生まれたかった。華奢な作りの骨格、やわらかい体、膨らみ始めたおっぱい、子供のくせに一丁前に機能し始めた子宮、全部が疎ましい。ほしいなら全部くれてやる。
性別って不条理だ。どんなに頑張っても、女は男に勝てない。男女平等なんて嘘っぱちだ。ちっとも平等なんかじゃない。
「大ちゃん、なんで泣くの?」
さつきが俺の頬をぬぐう。大きくて骨ばった手だ。男の手。俺もこんな大きな手がほしかった。そうすればボールだってもっと自由に扱える。
「さつきの、バカ」
バカバカバカ、ずりぃよお前。俺よりかずっと恵まれた身体持ってんのに、お前はバスケをしない。女バスのマネージャーなんかやってんじゃねぇよ。でもそばにいてくんねぇと困る。お前がいないとダメなんだよ、俺も、他の奴らも。
「…ごめん」
「バカバカバカ」
「ごめんって」
「腹いてぇ」
「二日目だからでしょ、薬飲みなよ」
「うるせーセクハラ、死ね」


青峰ちゃんがネガティブで情緒不安定なのは生理中だからです




07/23
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