蟒八百
蟒は八百造の手を取った。
こんな風に彼に触れるのは久方ぶりだった。まだまだ現役だと本人は豪語しているが、何せ自分も彼も齢五十三。錫杖を振り回して敵をばたんばたんと薙ぎ倒した若い頃のあの肌のはりは失われつつある。節くれだった皺の寄った手を見て、ああ、自分もこの男も年を取ったのだ、としみじみ実感する。
そう、二人は年を取ったのだ。
若い頃は必死に押さえつけていたあの身を焦がすような思いも、今では随分大人しくなった。大分気も長くなった。ポーカーフェイスを身に付けた。嘘をつくのがうまくなった。
でも、どうしたのだろうか、今夜は抑えが効かないのだ。
蟒の思考が絡めた指から伝わったのか、八百造は小さく息を飲んだ。
「う、わばみ」
「所長」
堪忍しておくれやす。




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