廉造と柔造
いつもへらっとした顔をして、めんどいことには首突っ込まんようにして、腹の底を見せんようにして。
小さい頃からそうやってずっとやってきた。俺なりの処世術だ。
いつだったか坊に「お前はえろうわかりづらくて敵わん」て言われたことがあった。そりゃそうだ、見せないようにしてるんだから。優先すべきは自分より坊。俺のことなんて、坊は気にしないでいいのだ。
子猫さんには「志摩さんはいつも適当や」て言われた。あれは少しかちんときた。俺だって色々考えているのだ。そりゃあ子猫さんのが真っ直ぐで真面目だから俺は相対的に不真面目に見えるかもしれないけど、あれは俺なりの処世術なわけで、本当はもうちょっとだけ、真面目だ。ちょっとだけだけど。

そんな愚痴を柔兄にぽろりと漏らしたら、「廉造がええ子なんは兄ちゃんがちゃんと知ってんで」と、笑って頭を撫でてくれた。ああ、やっぱり柔兄はすごい。俺の自慢の兄ちゃんだ。柔兄大好き。




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