しま→♀すぐ
・お嬢が男装して男子寮に潜り込む
・志摩、子猫丸と同室設定
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大きめのスウェットが勝呂の身体のラインを分かりにくくはしているものの、昼間は晒で潰されている胸の膨らみをどうしても意識してしまう。
(……いや、アカン、考えたらアカン…!)
志摩は首をぶんぶんと横に振り、両頬を平手でぱん!と打つ。しかし邪念は消えず。
「なんや、三人でおんなじ部屋で寝るとか、何年ぶりやろな」
なんて、にこにこしながら言っているのだから、この次期座主様は無自覚無防備で困ってしまう。
「そうですね、なんや懐かしいです。柔造さんが添い寝してくれたり、金造さんと志摩さんはよく布団の取り合いしたりして」
子猫丸は幼馴染みで同い年の少女と同部屋で夜を過ごすことへの動揺など微塵も感じさせないスマートな返答である。志摩は1人悶々としている。
「せやけどお嬢、外に出るときは必ず僕か志摩さんと一緒やないとあきまへんよ。男子寮に女の子がいるなんてばれたら、大変なことになりますからね」
「わかっとる。しっかし、さすが私立やなあ。トイレも風呂もちゃんと部屋についとって助かったわ」
「ええ本当に。どないしようかと思っとりましたけど、なんとかなりそうやなあ」
などとにこにこしている二人を横目で見て、志摩はぎりぎりと歯噛みをした。
なんとかなるわけがない。年頃の男女が同部屋で生活なんて無理に決まってる。
風呂上がりのシャンプーの香り、無防備な寝顔、着替えの衣擦れの音、ユニットバスの隅に控えめに干された下着、……こうやって並べてみるとまるで変態のようだが、気になるものは気になる。第一、月の物はどうするのか。




02/18
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