柔♀勝
柔造から手渡された薄桃色の箱を勝呂が開けてみると、中に入っていたのは赤いパンプスだった。シンプルなデザインで飾りは一切ついておらず、足首に華奢なストラップがついている。ヒールの高さはおよそ5センチメートル。
「……これ」
「履いてみてください」
勝呂は履いていたスニーカーを脱ぎ、パンプスにそっと足を入れた。サイズはぴったりだ。両足履いたら、ストラップを留め、恐る恐る立ち上がる。
(…あ、意外に安定する)
今まで踵の高い靴は履いたことがなかった。歩きやすい靴が良かったし、高めの身長を強調したくなかったから。
「どないですか」
「うれしい……」
「そう言って頂けて良かったですわ。金造に聞いたら、お嬢はそういう靴より新作のスニーカーの方が喜ぶんちゃう、て言われまして」
「………柔造の好みなん、こういうの」
「……そう、ですね」
柔造は頭をかきながら笑う。
「ふうん」
勝呂はわざと興味無さげに返答するが、頭の中は柔造のタイプの女性についてでいっぱいだ。
(他は、どんなんが好きなんやろか。やっぱし、ふわふわしたかわええ子が好みなんかな……)

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先日書いた♀志摩と♀勝呂とちょっとリンク。YUKI聴きながらヤマシタトモコの「HER」読んでたら可愛くなりたい女の子が書きたくなった。
「爪先から少しずつ好みの女に作り替えていく」っての結構興奮しませんか。って書くと私が変態みたいだ。でも柔造は変態だと思います。本当はここに♀しま→♀すぐ要素も入れたかったのですが難しいですね。




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