頭が痛い。
ずきずきと突き刺すような痛みに、勝呂は顔をしかめた。
ああ、またや、畜生。
たった一晩徹夜しただけでこれだから敵わない。
予習、復習、暗記、やりたいことは山ほどあるのに体がついていかないのだ。
「坊、無理せんと、休んだ方がええですよ」
「かまわん、平気や、………っ」
心配する志摩と子猫丸を振りほどいて学校へ行こうとしたが、玄関でよろめいた。
「坊!」子猫丸が短く叫ぶ。
「……っと、言わんこっちゃない」
すかさず志摩が後ろから勝呂を抱き止めた。
「坊、今日はあきまへん。ゆっくり身体休めましょ」
「何言うてんのや、俺は平気や」
「そんなこと言うて、本当は頭だって割れそうなくらい痛んでますやろ」
図星だ。勝呂は口をつぐんだ。
「この調子じゃあ、一人で寮に残していってもあかんわ。僕がノートとっとくさかい、志摩さんは坊を見張っとって下さい」
じゃあ、行ってきます、と子猫丸は玄関の扉の向こうに消えた。
「二人っきりやな」
志摩が意味深に微笑むので、勝呂は彼をぎろりと睨み付ける。
「……俺は今病人や。変な真似したら殺すで」
「はいはい、おっかないな」
志摩は思わず両手をあげた。


頭痛




07/12
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