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「奥村さんって、おっぱいちっさいねえ」
何気ない志摩の一言は、正直かなりぐさっときた。
だから、その日の夜、風呂上がりに、机でパソコンとにらめっこする雪男に向かって。
「ゆ、雪男……ちょっと、頼まれてほしいんだ、けど」
「何?僕、これでも結構忙しい身だから、手短に……」
「……む、胸、揉んでほしいんだ」
「…………は?」

要するにこうだった。
体育の時間に、志摩が俺としえみを見比べて、「奥村さんって、杜山さんに比べればやっぱりおっぱいちっさいんやねえ」と笑い、むっときた。じゃあどうすればいいんだよ、と聞いたら、奥村先生に揉んでもろたらええよ、と親指をつき出された。いくら姉弟とはいっても、女と男だから、やめようとは思ったけど、志摩いわく、自分で揉んでも意味がないらしい。
だから、恥ずかしかったけど、しえみみたいに胸大きくなりたいし、勇気を出して雪男に頼んでみたのだ。

理由を話し終わっても、雪男はあんぐりと口を開けてこちらを見ている。右手の親指がちょうどスペースキーに乗っかったままで、画面には大量のスペースが開けられていく。
「わ、わり、な、何でもないから、忘れて……」
「いいよ、揉んでも」
あわてて撤回しようとしたら、雪男がにやりと微笑んだ。
「おいで」
雪男に招かれ、彼の前に立つ。
「なに、言い出しっぺのくせに緊張してるの?」
「ち、ちげえよ!」
「ふうん、じゃあとりあえず脱いでよ」
雪男の発言に今度は俺があんぐりと口を開けた。
「んなっ……」
「まさか服の上から揉めっていうの?それじゃあ意味ないんじゃない」
別に止めてもいいんだよ、僕は。
そう言われると従わないわけにはいかない。
「…………くそっ」
仕方なく、着ていたTシャツを脱ぎ捨て、上半身はブラだけになる。今日は白のレースがたくさんついたやつだ。いつも雪男が洗濯しているとはいえ、下着姿を見られるのはやっぱり恥ずかしくて、顔が赤くなるのがわかった。
「いつも洗濯してて思うけど、姉さんって男っぽいけど下着だけは女の子らしいよね。それ、誰かに選んでもらってる?」
「……っ、メフィストがくれるんだよ、いっぱい紙袋に詰めて」
「ふうん、理事長も変態だなあ。ところで姉さん、寝るときはブラジャー外さないと大きくならないよ」
「えっ」
「ほら、だから外しなよ」
「お、おう……」
背中に手を回し、ぷちっとホックを外せば、胸の締め付けが緩んだ。でも、ここから先に進めない。
やっぱり、雪男に胸を見せることに抵抗があったのだ。
「ゆ、ゆき、やっぱり、はずかし……」
「仕方ないなあ」
雪男はため息を吐くと片手を伸ばしてきて、かぱかぱしたブラの下から手を入れ、俺の小さな胸に触れた。

つづく




07/10
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