「………なあ廉造、起きとる?」
夜中の一時頃、部屋の外から声がかかる。
「おん、起きとるけど………どないしたん、金兄?」
返事をすればすーっ、と障子が開いて、廉造と同じ甚平を着た金造が立っていた。
「あー良かった、起きとって。邪魔するで」
「ちょっ、何やの、何しに来たん」
「何や、せっかく金造様が遊びに来てやったんに、不満でもあるんか」
「いや、今何時やと思ってるんや」
「細かいことは気にすんなや」
「てか、俺今から寝るんやけど」
「それは好都合や。俺も今から寝るんや」
「いや、意味わからんし、ってちょい金兄、勝手に布団を占領すんなや」
金造はさっと横たわり、ぺろっと掛け布団を捲って「ほら、早うおいで」と手招きする。
「何やわけわからんわ……あれなん?人肌恋しい季節とかそういうやつか?」
首をかしげながら廉造は大人しく金造の隣へ潜り込んだ。
「ちゃうねん、ほら、さっきまでテレビでホラー映画の再放送やっててん、あれ見たら一人じゃ寝られへんわ」
「金兄あれ見たんか!?勇者やな」
「おん、やから一人じゃ寝れへんのや」
「そりゃあ、しゃあないな」
「二人で寝るのなんて、いつぶりやろか」
「柔兄が正十字通ってた頃以来ちゃう?」
「そんなに昔か?」
「だって柔兄いたら、俺も金兄もまず柔兄のとこへ行くやろ」
「……せやな。しっかしお前は大きなったなあ」
「へへっ、金兄よりでかいで」
「調子に乗るなや阿呆が」
「あっ、布団取らんといて!寒い!」
「せやな、お願いします金造様どうかこの阿呆に布団を分けたってください、て言うたら考えても」
「お願いします金造様どうかこの阿呆に布団を分けたってください」
「うわお前プライドとかあらへんのか」
「寒いよりましや」




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