「……わかります?俺かて好きでアンタのお守りしとるわけやないんやで?俺かて健全な男子高校生やぞ、放課後は祓魔の勉強なんてしないで可愛ええ女の子と遊びたいわ」
(嘘や、祓魔の勉強せんと祓魔師にもなれへん、そこいらの女子なんてどうでもええんやよ、だって俺が一番大切なんは)
「今回の不浄王の一件で解りましたわ、俺には皆みたく明陀や後悔や言うて簡単に命張ったり出来ひんのや。何でかな、五男やからかな。あんまりおとんからも明陀からも必要とされてる気がせぇへんねやもん」
(やって、俺は明陀やのうてアンタに仕えとるんやぞ、他のことに脇目ふっとったらアンタのこと見失ってまうやろ、他のことで死んでしもうたらアンタのこと守れへんやんか)
「大体何でアンタはそない簡単に命かけはるんや。自分の立場考えたことあります?アンタの下に何人人がいると思うてるんですか、アンタは、アンタだけは死んだらあかんのに、どうしてそうやって無茶ばっかりするんですか?アンタは優しすぎるんよ、目ぇ瞑って耳塞いで知らんぷりしとけばええことにまで首突っ込んで、無茶して、解ります?子猫さんも俺も気が気でないんよ。俺、言いましたよね?ほんまに死ぬで、って。あんな危ない橋渡っとったらいくつ命があっても足らしまへん。人にばっかり優しくせんで、もっと自分にも優しなってくださいよ。もっと自分を大事にしてくださいよ、危ないことは俺らがやるから、坊は、坊は」
「………すまん、志摩、俺お前が何言うてるのかようわからへんねんけど」
「俺だってよう分からへんねや、ふっ、うぅ……」
「ちょ、お前、泣きなや、もう15やろ!?」
「ぼおぉぉぉぉん…」
「ったく、しゃーないな!」


誰にでも優しくて、自分を大事にしない、そんな優しい坊が嫌いだ。大人しく、俺の腕が届くとこにじっとしといてくれたらいいのに、すぐに離れていって無茶をする。そんな坊にも、上手に守れない自分にも苛々して、罵倒を浴びせて傷付けようとしたのに、途中から本音の暴露大会になって、あげく泣き出して、結局等の本人に慰められて。ああ、俺、かっこわるい。


やさしいあんたが嫌いでした
title by joy




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