「お……おい、これって……」
「まさか、そんな……」
獅郎が燐に寄越した携帯電話に隠された衝撃の事実。
それは、彼らの養父である藤本獅郎と、正十字学園の理事長であるメフィスト・フェレスが恋人関係にあった、というものだった。
本人たちから直接聞いたわけではない。ただ、残された携帯電話の着信履歴とメールボックスがそれを暗示していた。
少なくとも一日一回はメフィストから電話が掛かってきており、メールも一日平均5通は送られてきている。内容も「好きです」「会いたい」「○○ホテルにて待つ」等々。しかし、獅郎の返信は十通に一度がいいところ。内容も「うぜぇ」「黙れ」、その程度だった。完全にメフィスト→→→獅郎だ。
「……何だか理事長が可哀想に思えてきたよ」愛の言葉を囁き続けるのに一向に通じていないことを察し、雪男は心を痛める。自分にも少し思い当たる節があるので、余計。
「……うーん、プライベートな内容だし、消しちゃおっか?万一誰かに見られでもしたら大変だし、兄さんだってこの携帯これから使うでしょ?」雪男がメールを削除するため燐の手から携帯を奪おうとすると
「いや、ちょっと待て。雪男、お前SDカード持ってたよな」
「うん、持ってるけど……まさか、そのメール残しておくつもり?」
「あったりまえだろ、これでメフィストの野郎にぎゃふんと言わせることができるぜ…!」
燐はそのメールでメフィストを脅そうと考えているのだった。
「僕は知らないからね、フェレス卿にあんまり関わりたくないし」雪男は机の中からSDカードを探して燐に手渡した。


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07/05
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