「シカマル悪ガキじゃん」
「お前もな」


今までと同じようにこれからも季節は巡る。ただ、その巡る季節の中をシカマルと一緒に過ごせるのかどうかはあやふやだ。

もちろん忍としての道を選んだ時からそれは仕方のないことなのだけれど、そうじゃなくて。わたしが心配なのはシカマルもいい年頃だって話。

もしシカマルに彼女が出来たらこんな風に一番最初にわたしが誕生日を祝うことは出来なくなるんだろうな。彼女がやきもち妬きならもうシカマルと話すらできないのかも。それは寂しい。


「シカマル彼女つくらないの?」
「何だよ唐突に」
「なんとなく」
「つくろうと思ってつくるもんじゃねーだろ、そんなん」


確かに。
それは運命を信じるロマンチストの答えか、現実を慎重に生きるリアリストの答えか。シカマルにはどちらもしっくりこない気がした。


「じゃあ、好きな人は?」
「……いる」
「……」


意外だった。いることがじゃない。いたとしても絶対に面倒くさがって隠すと思ったのに、あっさり認めるなんて。

恐れている未来に少し近付いてしまった気がした。






(君の隣にいたかった)font