「で、いつまで固まってんだよ」
「だって、シカマルが…っ」


好きな人がわたし…?
あ、だめ耐えられない。そう思うが早いか勢いよく立って窓に手と足をかけ、逃走を図ったがそれはシカマルの手によってあえなく失敗に終わった。


「ちょ、しか…っ」
「だめ、逃がさねぇ」


背後から腰をしっかり抱かれてシカマルの膝の間にすっぽり収まってしまったわたし。何だコレ。心臓に悪すぎる。


「俺ばっかずるいだろーがよ」


シカマルの声が小さな振動となって鼓膜を擽った。その距離は反則だと思う。


「…好きじゃなかったら毎年こんな時間にお祝い言いにきたりしないよ」


そっか、とわたしの肩に埋められた顔は見えないけどたぶんシカマルは笑ってる気がする。

私の幼馴染みがシカマルでよかったと言ったら、シカマルは何も言わないかわりにぎゅっと腕に力を込めた。







(本当にありがとう、シカマル)