甲板にて馬鹿騒ぎをするハートの海賊団。尋常じゃない量のお酒を飲みながら皆で大笑いしている。新年だからかキャプテンも珍しくハメを外していて、キャスケットやベポと楽しそうに笑っていた。私はというと、あまりにもキツく臭う酒の匂いから離れる為、甲板にて一人で座っていた。

「新年まであと5分ーあと5分でバストアップとかしないかしら」
「する訳ないだろ」
「うおおおぅう!」

独り言を言っていると後ろからペンギンに声をかけられた。一人だと思ってたからつい悩みをポロッと言ってしまったよ恥ずかしい!いや、5分でバストアップする方法、知ってたら教えてほしいけどね!?

「乙女の悩みを聞いたな!くらえ、ノロノロパーンチ!」
「どっかの割れ頭の技だな、それ」
「ノーローノーローパーンチ!」
「ただ遅いだけか」
「バレたか!」
「俺何でお前と付き合ってるんだろうな」
「まさかの大晦日に破局危機!」

私が一人落ち込んでぶつぶつ言ってると、ペンギンが隣に座ってきた。もうペンギンなんか知らないやい。一人で飲んどけオヤビンと仲良しこよししとけ。ふーんだ!

「もうすぐ新年だな」「……」
「来年はどうなるんだろうな」
「……」
「取敢えず船長を海賊王にさせなきゃな」
「私がキャプテンを海賊王にさせるんだもんね!」
「キャスケットはー…」
「あれ、『お前は船長の右腕か!』みたいなツッコミはないの?」
「まあ、キャスケットとベポは変わらないだろうな」
「そしてまさかの無視?」
「問題は俺達だな」
「問題なの?」

すると急に眉間に皺を寄せて考え始めたペンギン。そんな負担になるか、私!邪魔か、私!地味にショックだよ、ペンギン!それが顔に出てたのか、ペンギンが「拗ねるな」と私にデコピンしてきた。痛い。

「私達は…来年も変わらずに仲良くやってくんじゃないの?」
「んー…」
「違うのか!ちょ、悲しい!」
「いや、」

ペンギンはそう言うと、やっと私の方を向いて私の頭を撫でた。

「来年は俺、お前の事もっと好きになっているだろうからどう対処しようかと思ってな」

私の頭を撫でていたペンギンの大きな手はいつの間にか私の頬に下りてきていて、気付けば私の唇はペンギンのそれと重なっていた。二つの唇が離れた後、ペンギンは私を抱き締め、私の耳元で「愛してる」と何回も囁いた。気付けば新年を越したようで、大騒ぎをするクルー達が遠目に見えたが、今の私には取敢えずペンギンしか見えなくて色々といっぱいいっぱいだった。



今年100回目の愛してる



「ちょ、ペンギンの愛の囁き破壊力抜群…!」
「分かった。分かったから鼻血止めろ」
「じゃあ、愛してるって囁くのやめてくれ!」
「やめていいのか?」
「前言撤回。続けて下さいお願いします」







2011.1.1 あやか様より

←あやかしゃんから新年企画で頂いちゃったんだぜ!いえあ!← あああああやかさーん、新年早々こんな素敵なペンギンに愛を囁かれてわたしは死んでしまいそうです…! そしてまさかのオヤビン発動に萌死んだ。割れ頭って文字だけでわたし飛べる気がする!(そのまま帰って来んな)2011年もこんな感じに頭ぱらぱらで気持ち悪いヤツだけど、仲良くしてください(*^o^*)
素敵企画に参加させていただきありがとうございましたvV