Project by 40000&50000
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「キッドーぱんつー」

「俺はぱんつじゃねェ」


風呂場のドアを少し開けてぱんつとか叫んでいるアホは悲しいことに俺の女だったりする。…あれ?なんで俺あんなのと付き合ってんだっけ。あぁ、そうだ見た目に騙されたんだった。顔とスタイルだけはずば抜けていいんだよな、他の女なんかあいつに比べりゃイモだイモ。


「ねぇ、ぱんつー」


ただ中身が、な…。恥じらいとか慎みなんて言葉あいつの辞書には載ってねェからな。下ネタでトラファルガーと張り合えちまう女だからな。…あれ?なんで俺あんなのと付き合ってんだっけ。あぁ、そうだ見た目に騙されたんだった。顔とスタイルだけはずば抜けていいんだよな、他の女なんかあいつに比べりゃイモだイモ。


「ぱーんーつー」

「うるせェな!必死に聞こえないふりしてる俺の努力を無駄にすんじゃねェ!」

「だって、脱衣所にぱんつ持ってくんの忘れちゃったんだもん。持って来てよー」

「ふ ざ け ん な!」


アイツおれのこと母ちゃんか何かと勘違いしてねェか?フツー自分の男にぱんつ持ってこいとか言わなくね?


「キッドの好きなぱんつでいいから」

「…は?」

「オススメは白だけど」


いや、聞いてねェし。つか、おれは白は好きじゃねェんだよ。なんか胡散臭くね?純情ぶってる感じがいけ好かねェ。かと言って黒っつぅのも単純だよな。嫌いじゃねェけど。まぁ、やっぱ赤だろ。赤をはきこなせるヤツなんかそうそういないだろうけどアイツなら…って何乗せられてんだ俺は!

うっかりソファーから立ってタンスに手をかけている自分の頬をはたいて、ソファーに座り直す。


「持ってかねェからな!」

「…もしかしてノーパン派?」
「うぉ!?」


どっかりと腰をおろしたところで頭上から降ってきた声に驚いて上を向けば、ちょうど俺の真後ろでバスタオル一枚を身体に巻きつけたナナが仁王立ちで俺を見下ろしていた。


「キッドはノーパンの方が燃えるの?」

「あ?バカ言ってねェでとっとと服を着やがれノーパン女」


ソファーの背凭れに預けた俺の頭の両脇に手を付いて顔を覗き込んでくるナナ。心なしか輝いているナナの目を睨み付けた。それと、一応言っておくが俺は別にノーパン派じゃあねェ。ぱんつは履いとけ。


「わたしはキッドがノーパンでもじもじしてたらちょっと萌るよ」

「俺はお前の気持ち悪ィ発言に本気で萎えてんだよ」

「いや、むしろわたしがキッドのぱんつになりたいかも」


立てた人差し指を唇に宛てて何かを考える仕草は素直に可愛いと思う。こいつの顔なら尚更絵になる。しかし、通常ならここでだらしなく弛んでもいい筈の俺の頬は残念なことにひくひくとひきつっているわけで。


「テメェの脳みそがぱんつに支配されてることはよく分かったから、取り敢えず服を着ろ」

「え、やだ変な誤解しないでよ!」

「事実だろうが」

「わたしの脳みそ支配してんのは365日24時間、キッドだけだもん」

「…っ!」





やべ、キュンときた
(いきなり何言って――)
(だからお願い、今日のぱんつ教えて)
(ちょ、待て…俺のときめき…!)








title:ぱっつん少女の初恋



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