グリーンはどうやらヤンデレらしい。コトネとヒビキが二人してそう言ったのだからきっとそれなのだろうと思う。僕自身ヤンデレとは何かは知らないがとりあえず最近流行のツンデレと同種のものなのだと解釈することにした。ツンデレもコトネに教えられたはいいが意味はいまいち解らなかったけれど。それから二人に気をつけるようにと言われた。何か痛いことされたらすぐ言ってくださいねって二人が焦りながら言うものだからグリーンはそんな酷いことしないよって言って落ち着かせるのに時間がかかってヤンデレの意味を聞くのを忘れたから何に気をつければいいか解らない。それを食料を持ってきてくれたグリーンに言うと意味が解らないといわんばかりに目を丸くして首を傾けた。
「グリーンはヤンデレなの?」
「いや、違うと思うけど」
ほらやっぱり。グリーンは普通だよ。明日、コトネとヒビキが来るらしいからグリーンはヤンデレなんかじゃないって言ってあげよう。だってグリーンが言うことは正しいし、グリーン自身が違うって言っているんだから違うんだ。グリーンの言うことは全て正しいと僕は思っている。グリーンはいつでも僕を守ってくれているし、グリーンの言う通りにすれば危険な目に合わない。だから僕がこのシロガネ山にいるのもグリーンは反対しているんだけれど僕がどうしてもここにいたいと願ったら苦笑いして仕方ないな、と言った。優しいグリーンがヤンデレなんて変な種類の人間なわけない。でもあの二人のことだから説明するのも大変なんだろうなと思い、どうやって説明すればいいか考えていたらグリーンが悲しそうな顔をして僕の手首を掴んだ。
「どうしたの?」
「…もう、ヒビキとコトネに会うな」
どうして、なんて馬鹿なことは聞かない。だってグリーンが会うなって言ったんだから僕は会っちゃいけないってことなんだ。グリーンは正しい。この世界で誰よりも正しい人間だ。僕のことも僕以上に知っていて、だから僕に一番良い選択を教えてくれる。僕は幸せ者だ。誰よりもグリーンに愛されている自信がある。だっていつも食べ物を持ってきてくれるし僕が寒くないようにって自分が着ていたコートを僕に着せてくれたこともある。グリーンが帰る時コートを返そうとしたら別に気にするなって言って僕に貸してくれたから帰る時、きっと寒かったと思う。そんな自分の身体なんかより僕のことを最優先に考えてくれるグリーンは誰よりも正しくて誰よりも優しい。でもなぜかピカチュウのことは苦手なようだった。でも最近はピカチュウに優しくしてくれているし、前はなにか理由があったんだと思う。優しくしてもらっているのにピカチュウはなぜかグリーンを怖がるけれど。唐突に手首が痛んだ。グリーンが強く握っているのだと解る。今にも泣きそうな顔をしていたから僕はグリーンを抱きしめた。グリーンも僕を抱きしめてくれた。僕の大切な幼馴染。泣かないでって言うとグリーンは僕の首に噛みついた。そうしたらグリーンが歯を立てたところから血が流れるものだから首を伝って流れた血を僕は拭きとろうと指を首に向けたらグリーンが傷から口をはなして伝った血を舌で舐めりとる。いつもグリーンは僕の首に噛みつく。理由は解らないけど僕はそれが嬉しくていつもみたいにグリーンの肩に額を乗せると声が聞こえた。「殺したいくらいレッドのことが好きだ」いっそのこと殺してくれたらいいのに。



0913.洗脳(血の首輪)




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