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「死ねばいいんだよね」レッドが手元の本に目を向けたまま言い放った。俺は意味が解らなかったけどとりあえずそうだなって肯定しておく。そうするとレッドは一人納得して俺にありがとうって言った。全くもって話が見えないがどういたしましてって言った。僕が死んだら灰も残さないでって言ったからそれは無理だろって言ったらレッドは何が面白かったのか残念だなあって笑った。「僕、この世界から消えたいんだ」墓もいらないんだって。そんなの無理なのになって思った。こいつが死んだらおばさんが必ず墓をたてるのは目に見えて解っているしっていうかそれが常識だし墓をたてないでって無理なんじゃね。そう言ったらレッドはじゃあグリーンが僕を食べて骨も残さないでって言った。馬鹿じゃねえのって笑ってやった。レッドが読んでいるのはどうやら料理本みたいだった。



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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