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死ねよってグリーンに言ったら殴られた。とても痛かった。服になにか垂れたから興味本意で見るとそれは僕の血液で、手の甲で鼻を拭うと服に垂れた同じ僕の血液で濡れた。思った以上にたくさん出ていることに驚いて今度は違う手の方で拭ったけど同じように濡れただけで血は止まらない。どうしようって考えてるとグリーンがまた僕を殴った。痛いけどさっき殴られた時よりは痛くなくて僕はそれが可笑しくて笑うとグリーンは怒ったように目を見開いてまた、殴った。

「何が可笑しいんだよ。お前は、何が可笑しいんだ」
「君は僕を殴った。僕は鼻血を出した。それからまた君は僕を殴って君の手に僕の血が付いた。殴ったやつの血を付けた拳でまた僕を殴って、それが最初に殴られた時より痛くなかった。面白いじゃない」
「…死ねよ、お前」

胸倉を掴まれたから僕は血塗れになった手でグリーンの手首を掴む。ぎりぎりと音を立てた。痛いはずなのにグリーンは僕の胸倉を放そうとしない。だから僕もグリーンの胸倉を掴んだ。先程まで掴んでいたグリーンの手首は血で僕の指の痕が付いている。どこかのホラー映画みたいだなって思った。まだ僕の手には血が付いているからグリーンの服にも僕の血が付くんだなあって思うととても面白くて仕方がない。グリーンの目は怒りを含んでいて、その目を食べたいと思ってしまう。前にグリーンに言われたっけ。僕の目はブラックホールみたいで気持ち悪い。人に気持ち悪いって、死ねって言っちゃいけないって言ったのはグリーンなのに馬鹿みたいだ。自分で言ったことを自分で破るなんて自分の発言に責任を持っていない証拠じゃないか。僕はそんな人になりたくないなあああ。グリーンの顔が近いことにそろそろ嫌になってきて僕は気持ち悪いと吐き捨てるとグリーンは更に怒りを大きくさせた。胸倉を掴む力が強くなっている。見苦しいよって言った。



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